Setsuko
@tmksk
ロンドン在住。演劇研究者、批評家、翻訳者 PhD, Critic, Translator, Theatre & Drama, British Theatre. ACC 2024 NY Fellow. Instagram:
モリエール原作、マーティン・クリンプ翻案『人間嫌い』、NT。いやー、好きですねぇー。売ってた戯曲、クリンプ版の『人間嫌い』が1996年版(主役が男性版)と2026年版(女性版)の両方入ってるのでおすすめです。サンドラ・オーも良かった。モリエール作品って現代の観客には中々難しいところもあるんですが、今回は意図が明確で良かったです。
こちらではご無沙汰してます。学会やら帰国やらバタバタしてました。そして観てきた『プライド』と『トレインスポッティング』。 『プライド』はめちゃくちゃ良くて『トレスポ』はかなりハズレでした…。
体調崩して何度か行けず、やっと行きました、テート・モダンのトレイシー・エミン展。めっちゃ良かった…特に映像が観られて良かったし、なんといっても中絶テーマにした連作が見たかったので。大きい作品を沢山見られて大変満足です。
アヴァ・ピケット作、リンゼイ・ターナー演出『1536』。 いやーーーもーーーめっちゃ良かったー‼︎‼︎絶対これ日本でやって欲しいー!なんなら訳したいけどもう誰でも良いから(良くはないが)やってくれ日本で‼︎‼︎ 個人的には『ジョン・プロクター』よりも断然好み。この、じわじわ来る感じがね…上手いよ…幕切れは賛否あろうが、私はアリですね。救済を安易に描かないのが、現在の女性をめぐる状況に対する批評になっててすごく良い。
このクソ寒い中観て来た、グローブ座『肝っ玉おっかあ』。 ブレヒトが何考えてたのかわかりませんが、これ、イギリスでやってセンチメンタルになる以外の選択肢はないのでは…。翻訳も多分良くて、冒頭からサーカズム満載で観客は笑うし後半ぼろぼろに泣くしで、めっちゃ没入しとるー!批判的距離と異化効果どこいったー!ってなりました。
『エクウス』観ました。戯曲読んでも何が良いのか全然わからなかったんですけど、観ても全然わからなかったのでまぁ本があんまり良くなくて、俳優が良くても良くならないタイプの作品なんだな、と…。そもそも動物が傷付けられる話はあんまり評価してないが、それは個人的な感情として措くとしても。これ、何が良いの…?
ドンマー・ウェアハウス『ミサ』。テーマ的には『Downstate』と『Punch』と『親の顔が見たい』を足して割った感じ。よくできてるけど、これらの作品を知っちゃってると「よくできすぎ」な感じも否めないかなぁ。 クラックネルの演出が冴えてた。中央のテーブルで加害者側と被害者側が座るのだが、それがすごーくゆっくり回ってて、邪魔にならない上に全員の視点がハッキリ見えるので大変良い。また美術もすごく美しかった。俳優も良いんだわ…。 なんでこの手の作品の時に常に母親は「赦す」し「受け入れる」側に描かれるんだ? 作品の中でも抵抗する奴がいても良いんじゃないか?
ショーン・ホームズ演出『シャーロック・ホームズ』(ダジャレか)。「新しいミステリー」っていうから期待してたら基本的には『四つの署名』で、これもきょうび扱い難いやつ(人種差別とかオリエンタリズムとか、まぁドイルの時代なので)をわざわざ…と思いながら観てて、もう1幕で帰ろう!寒い‼︎て思ってたんですけど「いや本当にこれそのままやるのか…?」と疑って残りました。良かった‼︎残って本当に良かった‼︎私のミステリ好きの勘が冴えてた‼︎ラストを書き換えてました。
ハンブルガーバーンホフ。めっちゃ良かった…。これで私のドイツ滞在も終わりです。本当はもっと色々あったんですけどアップする体力が…。遠くなってしまったなぁ、ベルリン。またいつか来たい。
はいはいはいこういうのがドイツ語圏の政治演劇ー!というのが『Three Times Left is Right』。 政治的立場が異なる(左派の夫と右派の妻)夫婦の「ドキュフィクション」。とりあえず全部盛り込んだ感じがあってうーん…。あ、でも良かったのは、転倒して骨折した夫が、例の右手を挙げた形で固定されちゃって、観客に「一人でこうしているのはいたたまれないから皆さんでやりましょうよ、私たちはコミュニティでしょう!」とめっちゃ必死に訴える所は良かった。何が良かったって、観客が最初は爆笑してたのが、夫が必死に訴えるほどに段々空気が冷えていくし、演劇と言えど観客は絶対やらないのが良かった。
テアタートレッフェン関連イベントMehr Drama!(「もっとドラマを!」)ローンチイベ。これだよこれ。ドイツの戯曲界面白いんですよー! もっと翻訳されないかなぁ…されないんだよなぁ。ドイツ現代戯曲選第二弾出ないかなぁ。というか、私は絶対に専攻する言語を間違えたんだよね…。いや、今からでも…(英語も怪しいのに)
そして昨日はトーマス・メレ『背後の世界』(シャウシュピール・シュトゥットガルト)でした。以前マイヤーコフの一人芝居観たことがあるんですが、全然違ってて、まぁこれはこれで面白かった。とにかく主演のパウリーナ・アルペンが圧巻。ドイツ来ると演技イマイチな人いなくて、恐ろしい世界だなぁと思う。
フォルクステアーター・ヴィーン『フロイライン・エルゼ』を観てきました。 借金のカタに体を売らなければならなくなったエルゼ嬢の一人芝居なんですが、俳優が凄まじいのはともかく、脱がなくて良いのでは…と思ってしまい。この作品の凄まじいのは、脱いだ後も観客に語りかけるし喋ってる。ホルツィンガーとは違う身体のあり方(あまり攻撃的ではない)ですが…必要か?テーマ的に、もうその身体は客体として消費物にされていることは観客に伝わり切っているのに? と思い。そこで、「そもそも脱ぐ『必要』って何だ」とも思ったのでした。必要な裸体って何だろう。ホルツィンガーとアブラモビッチの展示を見た後だと、一層考えますね。
ケイティ・ミッチェル『Bluets』。まぁこの手のタイプは好みなんですが、絶対万人受けしないってわかってるし評価高くないというのもわかる。毎度のことながら、俳優が演じるのを映像と合体させたりするタイプのやつなんですが、なんでこの手法にこだわるのかがたびたびイマイチ不明になりがちなんですよね…。 今回は、そのちょっと現実から乖離しちゃってる(背景の映像と俳優が一体化しないし、演じている部分しか映像に出て来ない)というのが、テクストと一致してて良かったと思うんですよ。
テアターバーゼル『ガラスの動物園』。演出のJaz Woodcock-Stewartはイギリスの演出家で、批評家から「UKスタイル」って言われてたけど絶対違う。のっけから登場人物たちがブルブル振動マシーンに乗ってるテネシー・ウィリアムズ作品観たことないもん。面白かったけど、全編笑いが起きまくってて、大陸の笑いマジむずい…てなりました。
ミュンヘン・カンマーシュピーレ『メフィスト』、クラウス・マン原作、イェッテ・シュテッケル(カタカナ表記わからん、Jette Steckel)演出。 個人的目玉作品のひとつで、ほんと良かった。 始まりが『ハムレット』の俳優たちを迎える所で、終わりに、俳優である主人公が舞台から「次の台詞は?」って言って終わったのも、まー演劇的で、ほんとこういうの好きですよ! でも単なる演劇礼賛じゃないのが流石すぎる。演劇や芸術がナチスに利用されて来た歴史を踏まえ、「演じる」ことについて批判的な考察を促す作品。
ベルリン1日目。マリーナ・アブラモビッチの『バルカン・エロティック・エピック』とシャウシュピールハウス・チューリヒの『山猫』観てきました。アブラモビッチはもう一回何とかして行きたいと思います。『山猫』はめちゃくちゃ豪華だったけどなぜこれ?という感もあり。
あんまり食べ物の写真とかシェアしないんですけどこのデカいクロッフィンだけ見て。この中にたっっっっぷりのチョコクリームとブラウニー(!)入ってたの。すごかった。
ブリッジ・シアターで『イントゥ・ザ・ウッズ』観て来ました。 たまに後輩や学生さんなどでこの作品の大ファンですという方にお会いするんですが、実は全然魅力がわかっておらず、「好みの問題かなぁ」と思ってたんですが、単純に私がわかってなかっただけだった。
ジェイムズ・グレアム作、ジェイコブ・ダンの本に基づく『Punch』。 うーん、彼の作品の中では出来の良い方ではないのでは。台詞も展開も説明的過ぎている。まぁ、本作は教育的側面が大きいので、已むを得ないかもしれないが、だからと言っていつもと書き方が変わるのはどうだろう。 作品のテーマは非常に重要だし、ホワイエには犯罪の被害者遺族と「許し」がテーマとなるパネルが立てられていた。期待し過ぎたかもしれないが、許しについての葛藤はより突き詰めて書けたはず。劇的葛藤がテーマの重さと釣り合ってない。 マジでノッティンガム訛りが凄まじくて耳が慣れるまで全然わからんかった。
『コペンハーゲン』観て来ました。 戯曲が好きなだけにちょっと物足りない(プレビューだったので演技については改善されると思うが)。美術や音響は良かったんですが、まぁちょっと物足りないかな。演技が完成されたらもっと良くなるとは思われるものの。
写真は先ほどハイドパークコーナーを出発したデモ(顔が分かりそうな部分は隠してあります)。 ロンドンでは今回の戦争について意見がかなり割れており、シンプルに「戦争反対」って言ってる人もいれば、「イランの独裁政権を倒したからイスラエル・アメリカ支持」からの「イギリスはそれに加わらないって言ったスターマー何しとん」て人もいる。ただ、この後者は必然的にイスラエル擁護に繋がるので、ガザ攻撃を度外視はできないとする人もいる。そしてそうなると、イギリスは自分達も問題の発起人としてこの問題に向かわざるを得なくなる。難しい問題だ。
大和日英基金で始まった藤井光の展示の内覧会に行って来ました。イギリスでどう受容されるのか気になる。しかしダイワ、良いところに物件持ってるんだな…(Baker Streetのすぐ裏)
Arcadia, the Old Vic. 成功したストッパード作品ほど満足できる演劇はそうそうない。最高だった。サー、あなたの死で世界はつまらなくなってしまった。演劇が素晴らしいのは、上演される限り(そしていい上演である限り)、息を吹き返すから。観られて良かった。